看護師が知っておきたい前立腺癌の知識

前立腺がんとは

前立腺がんは、男性生殖器である前立腺にできる悪性腫瘍のことです。

 

前立腺がんは、日本国内で急激に患者数が増えている癌のひとつで、
早期には、あまりはっきりとした症状が現れることがないため、
早期発見されるにくいといわれています。

 

病状が進行すると、骨盤や大腿骨、脊椎などへの骨転移、
リンパ節転移が起こりやすいという特徴があります。

 

前立腺がんの治療は、いろいろな治療法があります。
患者さんの病状の進行状況や、意向などに応じて、治療方法を決めていきます。

 

前立腺がんの特徴

 

・高齢の男性に発症しやすいです。

 

前立腺がんの発症原因

 

・発症原因は、明らかな原因は不明です。

 

前立腺がんの症状

 

・血尿
・貧血症状
・尿閉
・膀胱刺激症状
・排尿障害

 

早期発見がされにくいため、
癌が見つかったときには、骨転移やリンパ節転移を生じている場合があります。

 

前立腺がんの治療方法

 

前立腺がんの治療方法には、手術療法、内分泌両方、
放射線療法(小線源療法など)、がん化学療法などがあります。

 

・手術療法

 

前立腺がんの手術には、前立腺全摘出、経尿道的前立腺腫瘍切除術などがあります。

 

・内分泌療法

 

内分泌療法では、アンドロゲン除去や、攻アンドロゲン薬を使用して治療を行います。

 

・がん化学療法

 

がん化学療法では、内分泌療法再燃患者さんへのタキサン系抗がん薬を使用します。

 

・放射線療法

 

放射線療法では、体外から放射線を照射する外照射療法、
前立腺内に高線量率イリジウム(HDR192lr)を一時的に挿入したり、
永久的に低線量率ヨウ素(LDR125l)を密閉したシード線源を留置する
内照射療法(小線源療法)などがあります。

 

前立腺がんの患者さんへの看護

 

前立腺がんの患者さんに対しては、術後の排尿障害に伴う援助や、
性機能障害に対する支援を行います。

 

前立腺の解剖生理

前立腺は、男性の副性器のひとつで、男性のみに存在する器官です。

 

前立腺はアンドロゲンに反応して増殖する臓器です。
そして、前立腺特異抗原(PSA)などのタンパクを再生する器官です。

 

前立腺は、恥骨の後方、および直腸前方にあり、
上下では深会陰横筋と、膀胱低に挟まれる部分にあります。

 

前立腺の中央は、尿道が膀胱から貫くように走行していて、
前立腺尿道部の中心に、精丘があります。
同じように、一対の射精管が前立腺の後方から突き抜けるように走行していて、
前立腺尿道部で合流します。

 

正常な前立腺は、3cm程度で、重さは15gほど、栗の実のような形をしています。

 

前立腺は、構造上、恥骨結合に接する平滑筋と線維組織からなる線維筋性間質と、
精丘下方および外側の辺緑領域、尿道周囲の移行領域、
中心領域にそれぞれ区分が可能な腺構造からなっています。

 

また、前立腺は、肛門から5cm程度腹側において、
直腸診を行うことによって状態を把握することもできます。

 

直腸診とは、患者さんの肛門から医師が指をいれ、
肛門や直腸下部の病変を診るための検査のことです。

前立腺がんの症状

前立腺がんの症状は、初期は自覚症状もなく、無症状であることが多いです。

 

前立腺肥大症を合併していると、前立腺肥大症の症状が見られます。

 

前立腺肥大症の症状には、「頻尿」、「排尿時不快感」、「排尿開始遅延」、
「排尿時間延長」、「尿線の狭小化・途絶」、「腹圧排尿」などがあります。

 

前立腺がんの病状が進行すると、その進行にともない、
尿道や膀胱などの周囲組織への浸潤をきたし、臨床症状が現れます。

 

前立腺がんの主な症状としては、「頻尿」、「血尿」、「膀胱刺激症状」、
「下腹部不快感」などがあります。

前立腺がんの合併症

前立腺がんの症状が進行すると、がん腫の増大に伴う尿管などへの浸潤にともない、
「排尿障害」や「水腎症」などを発症し、
状態が悪くなり、「腎後性腎不全」や「尿毒症症状」も発症します。

 

前立腺がんでは、骨盤や椎骨などへ骨転移をきたしやすいため、
「がん性疼痛」の症状が現れます。

 

さらに、骨転移部位が全身に及ぶと
非常に強い痛みが現れ、終末期になると、「血管内播種性凝固(DIC)」も発症します。

前立腺がんの検査

前立腺がんの検査は、前立腺がんのスクリーニングや診断、
経過観察は、その腫瘍マーカーである前立腺特異抗原(PSA)を用いて行うのが一般的です。

 

一般的に、前立腺特異抗原(PSA)の値が、4ng/mLを超えるような異常値の場合、
直腸指診、前立腺生検、経直腸的超音波検査、CT検査、MRI検査を併用し、
確定診断をします。

 

前立腺特異抗原(PSA)値は、前立腺がん以外の膀胱がんや精巣がん、
前立腺肥大症などでも高値を示すことから、
前立腺特異抗原(PSA)の異常値が前立腺がんに直結するものではありません。

前立腺がんの治療

前立腺がんの治療には、手術療法、放射線療法(外照射療法、小線源療法)、
内分泌療法、抗がん剤を使用したがん化学療法、待機療法があります。

 

治療の開始については、がんの進行状態や予後、
年齢などをもとに、患者さんの意向に従って決定するのが一般的です。